どうも、おときちです!
今回は、株式に対する考え方のうちの1つ、
グロース株とバリュー株についてお話しします。
グロース株とバリュー株とは?
まずはじめに、言葉の意味について説明します。
グロース株(成長株)とは、将来性があるため長期的に
市場全体をアウトパフォームする可能性があると考えられる企業のことです。
アウトパフォームとは、投資判断に使われる考え方で、
ベンチマークとする指標を上回っている状態のことを指します。
例えば、ベンチマークの下落幅が20%だとすると、
10%の下落に止まっている銘柄はアウトパフォームしている状況です。
専門用語を使わず端的に言うと、
成長株は株価にかかわらず「もっと伸びそうな銘柄」を指します。
一方でバリュー株は、現在、実際の価値よりも低い価格で取引されており、
優れたリターンを提供する企業として分類されます。
こちらは、本来は価値のある銘柄の株価が下落傾向であり、
お買い得な状態の株を指します。
なぜバリュー株の方が優れたリターンを提供してくれるかと言うと、
成長株は利益を再投資し、事業拡大を図る必要があるためです。
バリュー株は一般的に安定企業が多いので
株価が割安になっていてもリターンが得られます。
成長株とバリュー株の投資戦略のどちらが優れているかという問題は、
個人投資家の時間軸とボラティリティの大きさによります。
つまりそれぞれのリスク許容度を考慮して
判断されなければならないということです。
成長株とバリュー株の概念
一般的にファンダメンタルズ株式分析から来ています。
株式の分析方法には、「ファンダメンタルズ分析」と
「テクニカル分析」があります。
ファンダメンタル分析は、企業の業績や財務状況を参照し、
その企業そのものの価値を分析します。
これを分析し、株価以上の価値がありそうな会社か、
または今後もっと成長しそうか、という観点で購入するべきか考えます。
一方でテクニカル分析は、これまでの株価変動など、
株式に関する情報を分析し、現在の価格が割安であるかどうかを判断します。
今回のお話しの、グロース株やバリュー株という概念は、
前者のファンダメンタルズ分析から来ている考え方です。
成長株は、アナリストによって、市場全体、
または特定のサブセグメントのいずれかを一定期間にわたって
アウトパフォームする可能性があると考えられている銘柄です。
これらの株は、今後数年間で大幅な成長を遂げる可能性があると考えられています。
これは、今後売れると予想される製品や優秀な製品ラインを持っているか、
競合他社よりも経営状態が良く、市場で優位に立つことができると予想されるためです。
バリュー株とは、通常、比較対象となる財務比率やベンチマークに対して、
アナリストが見る株式の価値以下の株価で取引されている、
より規模の大きい、より安定した企業のことを指します。
例えば、ある会社の株式の簿価は、発行済み株式数を会社の
資本金で割った数に基づいて、1株あたり25ドルとします。
もしその会社の株式が現時点で1株20ドルで取引されている場合、
多くのアナリストはこれを良いバリュー株とみなします。
株価が割安になる理由は様々です。
例えば、会社の主要人物が個人的なスキャンダルを起こしたり、
会社が非倫理的な行為をしていることが発覚した場合などです。
しかし、企業の財務状況がまだ比較的健全であれば、
バリュー株をエントリーポイントとみなすことができます。
バリュー株は通常、収益価格、簿価、キャッシュフロー比率の
いずれかに対して、ディスカウントされて取引されます。
もちろん、どちらの見通しも常に100%正しいわけではありません。
一部の銘柄はこれら2つのカテゴリーの両方に分類され、
割安と考えられながらも、それ以上の成長の可能性を秘めているとも考えられることがあります。
そのため、モーニングスターでは、
ランク付けしているすべての株式および株式ファンドを、
成長株、バリュー株、ブレンド株の3つに分類しています。
では、どちらが優れているのでしょうか。
2 つのサブセクターの株式の過去のパフォーマンスを比較する際には、
時間軸やボラティリティの大きさ、
そしてその結果が出るまでにどれだけのリスクがあったかという
観点から評価する必要があります。
バリュー株は理論的には、より規模の大きい、
より確立された企業の中に存在するため、
リスクやボラティリティが低いと考えられています。
しかも、アナリストや投資家が予測する目標価格に戻らなくても、
ある程度の成長が見込める可能性があり、
配当金も支払われることが多い傾向にあります。
一方、成長株は通常、配当金の支払いを控え、
その代わりに内部留保を企業に再投資して事業拡大を図ることになります。
またこちらの場合、企業が投資家からの成長期待に応えられない場合には、
投資家が損失を被る可能性が高くなります。
例えば、高い評価を得ている新製品を持っていても、
その製品が結果不発であったり、
設計上の欠陥があったりして正常に動作しない場合、株価が急落する可能性があります。
大体の場合、成長株は投資家にとってリスクと
同様に最も高い潜在的な報酬を持っています。
やはり、ローリスクローリターンな投資はないということです。
実際に過去のパフォーマンスを見てみましょう。
先ほどは、成長株の方が長期的にいい結果を出しそうな風に示唆ましたが、
実際にはその逆の結果が出ています。
調査アナリストのジョン・ダウディー氏は、
Seeking Alpha のウェブサイトで、成長株とバリュー株のリスクとリターンを、
それぞれ中小型株、中小型株、大型株に分類したレポートを発表しています。
この調査では、2000 年 7 月から2013 年までの間、
3 つのレベルの時価総額すべてにおいて、リスク調整後のベースで
バリュー株の方が成長株を上回っていたことが明らかになりました。
しかし、短期的に見ると結果が異なっていました。
2007 年から 2013 年までは、成長株の方が
各キャップクラスで高いリターンを上げていたのです。
ダウディー氏は最終的に、
「この調査では、ある株式が他の株式よりも本当に優れているかどうかについて、本当の答えを提供していないと結論せざるを得ませんでした。」
と語り、「各シナリオにおける勝者は、それらが保有されていた期間によって決まる」と付け加えました。
つまり、長期投資ではバリュー株に、短期投資では成長株に軍配があがりました。
成長株とバリュー株のどちらに投資するかは、
最終的には個人投資家の好み、個人のリスク許容度、投資目標、時間軸に委ねられます。
短期的には、成長株とバリュー株のどちらのパフォーマンスも、
市場のサイクルのポイントに大きく依存することに注意する必要があります。
この市場サイクルという考え方はウォーレン・バフェット氏が
絶大な信頼を寄せるハワード・マークス氏が提唱した理論です。
彼は、「歴史は繰り返さないが韻を踏む」と表現しており、
それぞれのサイクルの原因や細かい部分は違えど、
根本的な部分やメカニズムは不変である、と語っています。
まとめ
2020年はコロナショックで全く予想外の事態になりましたが、
一般的には市場は3年サイクルで一周するといいます。
このような大きな流れを考慮し、目の前の株が買い時なのか判断する必要があります。
例えば、バリュー株は弱気相場や景気後退期にアウトパフォームする傾向があり、
一方、成長株は強気相場や景気拡大期に優れたパフォーマンスを発揮する傾向があります。
短期投資家や市場のタイミングを見計らって投資をしたいという人は、
これらの要素を考慮に入れる必要があります。