どうも、おときちです!
株の側面から見ると、コロナの状況下で恩恵を受けた業界もあります。
ETFの投資額は、2020年~2021年にかけてオンラインギャンブルと
スポーツベッティングの分野で倍増しています。
コロナウイルスの大流行でギャンブルへの関心が急上昇した結果、
2月のスーパーボウルの1週間後には、
スポーツベッティング関連のETFが記録的な好調ぶりを見せています。
今日はこのことについて、
詳しく解説していこうと思います。
コロナ禍で恩恵を受けた業界
現在、ギャンブルとスポーツベッティングへの
コアエクスポージャーを提供するファンドは2つあります。
ラウンドヒル・スポーツベッティング
iGaming (BETZ)とヴァンエック・ベクターズ・ゲーミングETF (BJK)です。
昨年リリースされて以来、
両方とも記録的な高値に突入しています。
特にBETZは、6月初旬に発売されてから96%急騰しました。
BJKは旅行やレジャーのトラブルで打撃を受けた
ウィン・リゾーツやラスベガス・サンズなどの
カジノ株やギャンブルの銘柄をミックスしたものを提供しています。
どちらかというと伝統的なギャンブル産業が多く含まれています。
BETZは、オンラインブックメーカーのPointsBet、
カナダのベッティング会社Score Media、
さらにはスポーツベッティング技術やデータプロバイダーに焦点を当てた一部のデジタルゲーム株が中心です。
こちらは最新技術を用いたギャンブルサービスが中心です。
両者には性質的な違いがありますが、
どちらも高騰していることは変わりありません。
BETZファンドは、わずか7ヶ月で運用資産総額3億5000万ドル以上を獲得するまでに成長し、
今年もこれまでに1億4600万ドルの資金流入がありました。
ラウンドヒル・インベストメンツの共同創業者兼CEOである
ウィル・ハーシー氏は、スポーツベッティングが
1992年のプロ・アマチュアスポーツ保護法(PASPA)の廃止に伴い
2018年に米国の連邦レベルで合法化されて以来、
業界は超成長モードに入っていると述べています。
さらに拍車をかけたのは先ほども触れたスーパーボウルです。
スーパーボウルはアメリカンフットボールリーグ・NFLの優勝決定戦で、
アメリカンフットボール最高峰のイベントです。
アメリカ人投資家にとっては、スーパーボウルが多額の
ベッティング活動に多大な影響を与えたことは、いわば想定内の出来事でした。
ラスベガスのスポーツブックやオンライン・ベッティング・ショップにとって、
スーパーボウルは一年で最も大きなギャンブルの日であり、
ETFの世界でも全く同じことが起きています。
アメリカ人投資家にとってのスーパーボウルが意味すること
最近では州ごとの数字も出始めており、
現在のところ報告が上がっている7つの州で、
ビッグゲームで合計4億4,400万ドルのベッティングが行われたことがわかってます。
これはすでに昨年の3億ドルを突破しており、
1つのイベントに賭けられた額としては記録的な出来事となっています。
PlayUSAのアナリストは、今年のスーパーボウルの
最終的なベット額は合法的なもので5億ドルを超えると予想していますが、
これにはブラックマーケットや認可を受けていない
スポーツブックを経由して流入するであろう数十億ドルは含まれていません。
米国のスポーツベッティング収入は増え続け、
2021年には25億ドル、2025年には80億ドルにまで達すると予測されています。
では、何がここまでの急速な拡大の原動力となっているのでしょうか。
ラウンドヒル・インベストメンツのハーシー氏は、
実店舗型サービスからモバイルやオンラインへのシフトと、
全米での合法化の拡大を挙げています。
テネシー州や1月に初めてオンラインスポーツベッティングを開始した
バージニア州のように、合法的なスポーツベッティングがオンライン化される州が日に日に増えています。
ハーシー氏は先週、CNBCの「ETFエッジ」で、
「米国市場が成熟し、より多くの州のベッティングビジネスがオンラインになれば、それは時代のシフトを意味し、スポーツブック運営者の収入増を意味する」
と語っています。
「しかし、もっと重要なことは、これが州議会のための税金をももたらすことだ」とも述べています。
スポーツベッティングは現在、ニュージャージー州、ネバダ州、
ペンシルバニア州、ワシントンD.C.を含む米国の21州で何らかの形で合法化されていますが、
カリフォルニア州、フロリダ州、テキサス州などの大規模な州では
まだ追随していないところもあります。
それでもハーシー氏は、私たちは合法化の初期段階にあると主張し、
今年はさらに10-12の州がオンラインに参戦すると予想しています。
私は、パンデミックによってもたらされた予算の不足を
埋め追加の税収を得るために、
州がスポーツベッティングを認可することは理にかなっていると思っています。
米国市場だけで見ても、スポーツベッティングの考えう
る総市場規模は200億ドルから300億ドル以上になるという見方もあります。
DraftKingsやFanDuelのような手軽に使えるアプリの急増により、
スポーツベッティングへの関心は日々のファンタジースポーツから
ライブベッティングへと劇的に進化しました。
ファンタジースポーツという言葉を初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんので、
簡単に触れておきましょう。
ファンタジースポーツとは、ユーザーが自分の好きな選手を集めて空想のチームを作り、
実在する選手たちの活躍によってポイントが変化するシステムです。
シーズンを通じてポイントが貯まり、多くのポイントを集めた人が勝利します。
サッカーや野球の世界で親しまれているベッティングシステムで、
ゴールを決めたら何点、ホームランを打ったら何点などと点数が決まっています。
一方でライブベッティングとは、今まさに進行している試合に対してベッティングを行う仕組みです。
試合終了間際までベッティングすることができますので、
試合の進行状況などによっていいタイミングで賭けることもできますし、
前半だけ、テニスの1セット目だけ、など賭ける単位も細かく調整が可能です。
賭ける項目も、得点差は何点か?
試合中のイエローカードの枚数は?
など勝敗以外の項目も多数存在します。
その手軽さから、ファンタジースポーツを押さえて急激に
人気が出てきているスポーツベッティングシステムです。
ライブベッティングの技術は、次の10分間の話だけではなく、
次の投球がカーブか速球かというレベルまで進歩してきています。
まさにライブという名にふさわしい、リアルタイムの世界です。
この合法ベッティングの議論はよく大麻の合法化の話と引き合いに出されます。
前述の通り、コロナによる想定外の税収の乱れを埋めるために、
スポーツベッティングが政治的に利用されているという側面があります。
現在米国では、状況は州によって異なりますが、
続々と大麻が合法化されています。
その動きとこのスポーツベッティングの世界は非常に似ています。
大麻の合法化は税収の大きな部分を占めており、
州や地方レベルでの税収獲得を後押ししてきました。
まとめ
今後は、これまでのギャンブルのように「罪の行為」として
規制してきた他のものにも、飛び火する可能性は大いにあると思います。
懐疑論者の中には、オンラインギャンブルに公的に参加することは、
州予算のバランスを取るために大麻を買い増すのと同じくらいおかしいという考えの人もいます。
スポーツベッティングを公に認めることと税金の話は切り離して
考えるべきと主張する人もいるかもしれませんが、
個人的にはこのスポーツベッティング大ブームの話を語る上では税金の話は避けられないと考えます。
投資の観点から言うと、 現在のゲーミフィケーションのトレンドと
結びついたホットでバズったテーマという意味で、
ETF投資家はこの動きに賛成している人が多いです。