GameStop騒動はなぜ起こったのか?市場へはどう影響したのか?

 

どうも、おときちです!

 

2021年早々に市場を賑わせたニュースといえば、

GameStop株の急騰です。

 

GameStop騒動のことは知っていても、

実際に何が起こったのかはご存知ない方も多いかと思います。

 

これは、アマチュア投資家軍団と

数十億ドル規模のヘッジファンドの戦いなのです。

 

この戦いは取引の熱狂に火をつけ、

これまで投資対象として人気があったわけではなかった、

いくつかの企業の株価を急上昇させることになりました。

 

そして最終的には、それらの株の空売りで儲けている業者に一石を投じました。

そのいくつかの企業の中で特に恩恵を受けているのは、

パンデミックの影響を受けて苦戦しているビデオゲームの小売業者、GameStopです。

 

何が起きたのか見ていきましょう。

 

GameStop騒動の実態

130億ドル規模のヘッジファンドであるメルビン・キャピタルを含む機関投資家は、

GameStopの株価に賭けることで利益を得る投資、

つまり空売りをしていました。

 

空売りというのは、資産の価格が

下落したときにでも利益を得られる投資方法です

金、石油、企業の株式などで利用できるテクニックです。

 

賛否両論ありますが完全に合法であり、

多くの専門家は、市場が資産の「真の」価格を決定するための重要な方法であると主張しています。

 

また、ボラティリティを高め、

安定性を低下させる投機の方法でもあります。

 

空売りは株価が高い時に売却し、

安い時に買い戻すことでその差額を儲けるシステムです。

信用売りという制度を利用します。

 

信用売りを行うと、投資家が100株売り注文(空売り)を出した際に、

証券会社はその100株を投資家に貸し出す形になります。

 

証券会社はその100株を市場に売却し、

その代金を受け取ります。

 

そしてそのお金は決済日までは証券会社に保管されます。

 

投資家は返済期日である6ヶ月後までに反対売買(買い戻し)を行います。

 

この時に、空売りした時よりも株式の価格が

下がっていれば差額がそのまま利益になりますし、

上がっていればそれが損失になります。

 

上の例では100株という設定でお話ししましたが、

実際は何十億ものお金が動きます。

基本的には、下降傾向の株式に対して行う投資方法です。

 

アマチュア投資家たちは空売りを行なっているファンドに一石を投じるため、

あるフォーラムで情報を共有し合い一丸となって

株価を天文学的なレベルにまで押し上げました。

上記の通り、価格が上がってしまえば空売り業者は損をします。

実際、この運動は業者に多額の損失をもたらしました。

 

現在戦いの場は、GameStopからブラックベリー、

映画館チェーンのAMC、アメリカン航空など、

ヘッジファンドが賭けた他の株に移っています。

 

今回の出来事で起こること

 

今回の出来事は、

空売りが非常に大きな利益を生む一方で、

大変大きなリスクを伴うことを示しています。

 

GameStopの株価は昨年の安値2.57ドルから、

著名なヘッジファンドが同社を支援することを決定した後、

12月31日までに18.84ドルまで上昇しました。

 

株価は順調に上昇しましたが、他のファンドは

大量の株を空売りしてGameStopに賭けていました。

 

この時点で、WallStreetBetsというフォーラムの

アマチュア投資家たちが参戦してきたのです。

 

複数のReddit(アメリカの掲示板サービス)ユーザーが

GameStopの株に投資し、

価格を押し上げて空売り業者に圧力をかけるよう呼びかけ始めたのです。

 

Redditの多くの投稿では、これは問題を抱える企業から

利益を得ようとするヘッジファンドを罰するための運動であることが示唆されていました。

 

またユーザーの中には、GameStopの株価が

急騰する中で金儲けをしたいと考えていた人もいました。

 

一部のファンドも、株価が急上昇した勢いから

利益を得ることを期待して参加していました。

 

アマチュア投資家たちは、GameStopの株価を

350ドル以上に押し上げることに成功しました。

 

年初にGameStopの株を借りて18.84ドルで市場で売却した空売り業者は、

再び買い戻して所有者に返すために、

1株あたり301.16ドルをさらに探さなければなりませんでした。

 

一部のヘッジファンドが数百万株のGameStop株を借りて売却していたため、

巨額の損失に直面し、損失の拡大を食い止めるために株を買い戻さなければなりませんでした。

 

その買い戻しによりさらなる需要が生まれ、株価はさらに上昇しました。

 

企業の価値観が異なる投資家同士の争いはよくあることですが、

一般のアマチュア投資家が大規模ファンドに

これほど大きな損失を出したのは初めてのことかもしれません。

 

ただし、GameStopの株価が急落した際には、

乗り遅れた一般投資家は多額の損失を被る可能性があることには注意が必要です。

 

GameStopの激動の株式市場の動きは、

ソーシャルメディアを通じた協調性の力を実証することになりました。

 

空売り業者にとっては、衰退していると思われる企業に賭けることは本当に正しいことなのか、

改めて考える機会になるかもしれません。

 

 

炎上した空売り業者の一人は、

アプローチの大規模なシフトをすでに発表しています。

 

シトロン・リサーチは、大きな問題を抱えていると思われる企業に賭けるのではなく、

成長の可能性のある企業に投資することに重点を置くと述べています。

 

他のファンドもショートポジション(空売り)を減らし始めています。

 

 

今後ヘッジファンドを含む機関投資家は、

Redditのようなオンラインフォーラムで表現されたセンチメントを分析し、

それを判断の一部に取り入れなければならなくなるでしょう。

 

このような動きがある中で、

信じられないことにまた株価が上昇を始めました。

 

先週木曜日の市場取引で、約85%の上昇を記録したのです。

 

この株価の反発は、3月26日にCFOのジム・ベル氏が辞任すると発表した翌日のことでした。

Gamestopは、「この決定は会社の活動、規制、または慣行に関連するすべてのテーマとは関係がない」と

米国の証券取引所のジャンダルムに送信された文書の中で強調しています。

 

しかし、「Business Insider」によると、ジム・ベル氏は、

最近同社の資本と取締役会に加わった株主活動家の

ライアン・コーエン氏によって「追い出された」はずだと主張しています。

 

オンラインペット用品サイト「チューウィー」の共同創業者である

ライアン・コーエン氏がゲームストップの株式を取得したことが、

1月末に同社がウォール街を駆け上るきっかけの1つとなったと言われています。

 

 

「この出来事を、株主であるRCベンチャーズがデジタルへの移行を加速させようとしていることの表れと受け止める人もいるかもしれません」と、

Telsey Advisory Groupのアナリスト、Joseph Feldman氏は述べています。

 

また、ジェフリーズのアナリストであるステファニー・ウィシンク氏は、

今回の離脱は「テクノロジー分野での経験が豊富な最高財務責任者(CFO)」を迎えることで

「ビジネスモデルの変化」を示す可能性があると話しています。

 

 

まとめ

正直なところ、専門家も今回の上昇については

明確な理由が掴めていないのが現状です。

 

 

ちなみに、GameStop株ほどではありませんが、

前述したその他の注目銘柄も急騰しています。

 

映画館大手のAMCエンターテインメントも18%アップ、

アメリカン航空も38%アップ、ブラックベリーも9%アップとなっています。

 

これらのボラティリティの高い銘柄は、

夢はありますが保有を続けると大損する可能性の方が高いです。

 

一時的な株価上昇に惑わされず、

しっかりと決算を見て中長期的に保有できる株を選ぶことを強くお勧めします。