どうも、おときちです!
今回もアメリカのユニコーン企業を紹介していきたいと思います。
今回紹介するのは、電動自動車メーカーの「Rivian」です。
Rivianとは?
日本では知名度はまだまだ低いですが、
米国国内ではテスラに迫る勢いで注目を集めています。
リヴィアン・オートモーティブ社は、
MIT出身のロバート・スカリンジ氏が設立した会社です。
スカリンジ氏はMITで博士号を取得しながら、
名門のスローン自動車研究所で大手自動車メーカーの
トップエンジニアと一緒に働いていたといいます。
青年時代にビンテージのポルシェをリビルドしたことをきっかけに、
自分の自動車会社を設立することを夢見始めました。
環境意識が非常に高い方で、気候変動や大気汚染への
思いについてスカリンジ氏は「インパクトを与えたいと思っていたし、最もインパクトのあるアプローチは自分で会社を作ることだった 」と語っています。
以下の画像(企業サイトトップページ)を見ていただければわかる通り、
ピックアップトラックやSUVの製造に力を入れているのがユニークです。
おそらく、現在業界最注目の電気自動車メーカー、
テスラを追随する唯一の電気自動車メーカーとなっています。
投資によっぽど敏感な人や自動車業界以外では
あまり知られていない会社です。
Rivianの成長過程
電気SUVやピックアップトラックのメーカーであるRivianは、
2019年の時点でまだ1台も販売していなかったにもかかわらず、
同年にアメリカの有名企業から大規模な資金調達を行いました。
アマゾンから7億ドル、フォード・モーター・カンパニーから5億ドルなど、
合計17億ドルの資金調達に成功しました。
アマゾンが、まだ1台も車を販売していない
この会社に大規模投資を行ったのには理由があります。
アマゾン社は、同社の「Climate Pledge(環境への誓い)」の
一環として温室効果ガスの排出ゼロを目指しています。
そこで、自社貨物配送用に電気自動車である
Rivianのピックアップトラックを10万台購入すると発表したのです。
アメリカでは、SUVとピックアップは
消費者向け車両市場の中で最も収益性の高いセグメントの1つです。
Rivianはそこにさらに電気自動車という要素を組み合わせ、
さらなる需要を創出したのです。
アマゾンはRivian車のバッテリーの耐久性と1充電あたりの
航続可能距離の両方に注目し、大規模投資を決めました。
Rivianの会社サイトを見ると、
「Quad motorシステムは、あらゆる状況で駆動力を発揮するが、天気が最悪の時にこそ真価を発揮する」とあります。
電気自動車というと悪天候時や悪路走行時には
パフォーマンスが落ちるのが課題とされていますが、
Rivianについては悪天候時や状況が悪い時にこそ
実力を発揮できるという点をアピールポイントとしています。
ここはまさに、Rivian社が最も力を入れている点です。
スカリンジ氏は、「真実ではないこと」を払拭する、
電気自動車に関する従来の見解を打ち砕く、と決意しています。
「トラックは電気自動車にはなれない」
「電気自動車はオフロードを走れない」
「牽引できない」
「トラックの購入者は環境に優しいものを望んでいない」など、
いくつかの不真実があるとスカリンジ氏はTimes紙に語りました。
「これらのことは根本的に間違っています。電動化とテクノロジーは信じられないほどの能力を持ち、運転するのが楽しいトラックを作ることができます」と
彼は付け加えます。
そもそもスカリンジ氏は熱心なアウトドアマンであり、
マウンテンバイカーでもあるのです。
このような見解は、一部の業界専門家の意見とは真っ向から対立します。
「Rivianの製品は本当の意味では作業用トラックではいない。
彼らはライフスタイル製品を目指しており、
能力はあるがレクリエーション用の製品を目指している。」と、
言われたこともあります。
Rivian社が特徴的なのは製品だけではありません。
その人事もユニークです。
FordやTesla、イギリスのスーパーカーメーカー、
McLaren Automotive Ltd.からの数十人を採用し、
1年間で従業員を2倍以上の750人に増やしました。
さらに、苦戦を強いられていたアメリカのライバル企業、
Faraday Futureからも約50人が入社し、主要なポジションを占めています。
しかも、Rivianの初代最高技術責任者(CTO)は
元Appleの副社長マイク・ベル氏です。
彼はAppleではiPhoneの発売に主導的な役割を果たした人物です。
また、デザイン部門責任者は、以前はJeepで
同じ役職に就いていた人をヘッドハンティングしています。
スカリンジ氏は2018年に「適切なチームをまとめることは、我々のビジネスの絶対的な核心です 。
組織として、我々の運営方法、意思決定の方法について考えることに膨大な時間を費やしました。」と
The Verge誌に語っています。
このように、技術と人事の両面から注目されている企業でもあるのです。
大胆な人事の一方で、生産計画については非常に保守的です。
テスラCEOのイーロン・マスク氏は、
大胆な生産・販売予測を立てたり、
外したりすることで有名ですが、
スカリンジ氏はかなり保守的です。
Rivianは2021年を生産の初年度としており、
その年に2万台から4万台を生産する計画だとTimes紙は報じています。
ちなみに、テスラは2018年には25万台以上を製造しています。
約10倍の差がついています。
なぜかというと、Rivian社の車は高い技術力が求められるためです。
いくらフォードやアマゾンの後ろ盾があっても、
スカリンジ氏が思い描くような高走行距離で
耐久性のあるSUVやトラックを競争力のある価格で生産できるかどうかは誰にもわかりません。
2021年が彼らにとって最も重要な年になるであろうことは間違いありません。
ユニコーン企業ですのでまだ上場はしていませんが、
IPO公開時にはここまでで説明した特徴を理解して投資するかどうかを決めてください。
まとめ
・Rivianは2020年後半に電気SUVとピックアップの製造を開始し、2021年の販売を目指している
・同社のトップ資金提供者は、Amazon.comとFordである
・Rivianはオフロードを走るのに十分なタフさを持った車を設計している。
・既存の電気自動車よりもバッテリー充電あたりの航続距離がはるかに長いことを約束している
昨年から今年の頭にかけて、テスラの株価がえらいことになったのはご存知の方も多いと思います。
車両スペックの側面から、
少しテスラと比較してみたいと思います。
RivianのSUVモデルは「R1S」と呼ばれ、
ランドローバー製の「レンジローバー」に似た外観で、テスラの「モデルX」と競合しています。
Rivianの電動ピックアップトラックモデルは「R1T」です。
テスラのイーロン・マスクは、テスラが
ピックアップトラックを販売することを示唆してはいますが、
まだデザインは公表されていません。
また、SUVのR1Sは、テスラにとって最大のライバルになる可能性が高いです。
Rivian R1Sは、InsideEVs.comという電気自動車専門サイトによると、
「フル充電時の走行距離が240マイルから410マイルになる」ことを約束しています。
これはなんとキロメートルで表すと386km?659kmとなります。
237~295マイルしか走行できないテスラのモデルXよりもはるかに長く、
テスラにとっては明らかな脅威となり得ます。
R1S と R1T の販売価格は、安いモデルでは7万ドルからとなっています。
少し高めの設定ですが、アメリカの投資家の中では、
スペックの割には保守的な価格設定であるという見方もあります。
2021年、彼らの最初の車が製造開始され、
もしかしたらIPOの話も出てくるかもしれません。
市場の動向に注目しましょう。
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