どうも、おときちです!
以前の記事では米国主要ETFのSPYとVTI、
そしてQQQについて、それぞれをデータから比較し概要をお伝えしてきました。
今回は、それぞれの特徴やおすすめポイントをお話ししていきます。
投資はあくまで自己責任ですので、その点ご承知おきください。
SPYの特徴&ポイント
まずは米国ETFの代表格であるSPYについて見ていきましょう。
SPY ETFは正式にはSPDR S&P 500トラストETFといいます。
米国の大型・中型株500銘柄で構成される
S&P500(スタンダード&プアーズ500)指数を対象とした、最も人気のあるファンドの1つです。
収録銘柄は、市場規模、流動性、業種などに基づいて委員会によって選定されます。
かなりの厳しい審査をくぐり抜けて
ようやくS&P500に入ることができます。
S&P500 は、米国株式市場の主要なベンチマークの一つであり、
経済の健全性と安定性を表す代表的なインデックスです。
米国経済だけでなく、世界経済にも
大変影響力の強い指標となりつつあります。
SPYの上位10銘柄は、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどのテクノロジー企業です。
また、SPYの約4分の1はテクノロジーセクターに投資されています。
その他の内訳は、情報技術24.19%、ヘルスケア13.82%、
金融サービス13.55%、通信サービス11.18%、工業9.04%、
消費者ディフェンシブ7.17%、消費者サイクリック10.99%、
公益事業2.86%、不動産2.52%などとなっています。
複数のセクターにファンドを配分している
分散型資産バスケットだということがわかります。
運用実績も好調で、モーニングスターの4つ星評価を受けており、
運用開始以来、年間平均10%弱のリターンを生み出しています。
SPYは資金のほぼすべてを S&P 500 インデックスに含まれる普通株式に配分しています。
先日もお見せしましたが、現在の上位10銘柄は以下の企業です。
前述の通り定期的に見直しが行われますので、
このリストは変動します。
リターンについて詳しく見ていきましょう。
先ほどお話ししたように、モーニングスターのSPYに対する評価は4つ星です。
過去10年間の実績を見ても他の
大型ブレンドファンドの平均リターンを上回っています。
2020年12月までの3年間の平均リターンは13.25%で、
過去10年間のデータでも、平均リターンは13.55%でした。
SPYの運用開始以来の全期間で見ると、
年間平均9.96%のリターンを達成しています。
かなり安定したリターンが得られることがわかります。
将来的には6~7%に落ち着くとも言われていますが、
現在のところは高い水準をキープし続けています。
SPYの構成としては、固定資産のポートフォリオを購入するための証券である
「ユニット投資信託」となっています。
SPYはNYSE Arca(ニューヨーク証券取引所 - アルカ取引所)に上場しており、
日本からでもこのETFを取引することができます。
また、前回お話しした通り、このファンドの総経費率は0.095%です。
この比率は一般的に見れば低いですが、
S&P 500指数を対象とする他のETFの中では1番低いわけではありません。
バンガードのS&P 500 ETFの経費率は0.03%ですので、その3倍以上です。
だからと言って悪いファンドではありませんのでご安心ください。
SPYは、複数の銘柄に投資することなく、
米国株式市場へのエクスポージャーを効率的に分散させる方法を提供してくれます。
これ1つを買えば自動的に500社に分散してくれるということです。
したがって、SPYは、適度なリスクを取りながら
米国株式をポートフォリオに組み入れたいと考えている投資家に適しています。
VTIの特徴&ポイント
正式にはバンガード・トータル・ストック・マーケットETFといいます。
このETFは、CRSP米国トータル・マーケット・インデックスのパフォーマンスを追跡しています。
SPYの収録企業は約500社ですが、
こちらはトータルマーケット(市場全体)をターゲットとしているため約4000社が含まれます。
SPYとVTIで重複している企業も多いですが、
VTIはより小さい企業までカバーしているといます。
SPYと同じくこのETFのトップセクターはテクノロジーで、
24.7%とを占めています。
次いで金融セクターが16.9%。
ヘルスケアセクターが14.8%で3位となっています。
上位10銘柄は以下の通りです。
SPYとかなり似たラインナップですね。
これら10の銘柄で全体の22.77%を占めています。
また前述の通り、費用比率は0.03%と
他のETFと比べてもかなり低い部類です。
世界中のETFを見てもこれほど経費率が低い銘柄はなかなかありません。
SPYよりもさらに広範な株式市場に密着しているため、
米国株式市場へのエクスポージャーを得ることができます。
カバー範囲が広い分、SPYよりさらにリスクの低い投資先と言えます。
またリターンも好調に推移しています。
VTIの直近1年間のリターンは11.46%、5年間のリターンは9.17%となっています。
こちらもSPYとそれほど変わらない高い水準をキープしています。
VTIは約4000企業を含みますので、
より低リスクで米国企業をポートフォリオに組み込みたい投資家におすすめしたいETFです。
QQQの特徴&ポイント
最後にQQQについてお話しします。
正式名称はInvesco QQQといいます。
NASDAQ100というインデックスを追跡するよう設定されたETFです。
NASDAQ100はS&P500よりもさらに絞り込まれた、
NASDAQに上場している100企業のみを対象としています。
QQQの株式はほとんどがアップル、アマゾン、グーグル、
フェイスブックなどのテクノロジー関連の大企業によって保有されています。
安定よりは成長性に注目したETFで、
手数料が安く配当が高いのが特徴です。
S&P500は米国の有力企業、VTIは米国全体、
QQQはテクノロジーセクターの状況を知るためのベンチマークとなっています。
NASDAQ100インデックスは修正時価総額方式で構成されています。
この修正方法では、時価総額に応じて各項目に個別の重み付けを行います。
重み付けを行うことで、大手企業の影響力を適度に制限し、
全構成銘柄で指数のバランスをとることができるようになります。
これを実現するために、ナスダックは四半期ごとに
インデックスの構成を見直し、分配要件を満たしていない場合はウエイトを調整しています。
QQQはほかの2つに比べて強気に投資を行い大投資家に向いています。
メリットとデメリットを紹介しておきたいと思います。
メリットの1つ目は、株価上昇時にS&P500よりもはるかに強気に上昇する点です。
安定企業ではなく成長企業ばかりが含まれているためです。
これらの企業はほとんどが他の2つのETFにも含まれます。
しかし他の2銘柄においては、様々な業界が含まれますので、
テクノロジー分野が大成長したとしても他の産業に吸収されます。
次のメリットは、急激に成長しているにも関わらず
まだまだ成長が見込まれる点です。
それはゼロエミッション車などの新技術を
開発している企業が多く含まれているためです。
デメリットの1つ目は、弱気市場の際に
S&P500よりも下げ幅が広いという点です。
メリット1つ目と表裏一体の関係です。
上昇幅が大きいということは下降幅も大きくなります。
もう1つのデメリットは、テクノロジーセクターは
揮発性が高いということです。
例えば、一昔前は鉄道業界がダウ交通平均を席巻していましたが、
今では鉄道は下火になっています。
テクノロジー業界も交通業界と同じように、
衣食住などと異なり流行り廃りが大きい業界と言えます。
そのためテクノロジー関連銘柄自体の価値が下がってしまう可能性もあるのです。
すでにFacebookやAmazonなどの頭文字をとった
「FAANG」株に対して、「オールドテック」と呼ばれている銘柄も出てきています。
まとめ
それぞれのETFの特徴をしっかり理解した上で、
ご自身の投資スタイルにあった銘柄を選んでみてください。